「水みらいプロジェクト2023」では、約8か月の期間、県下5校の小学校が「チャレンジ!学校水族館」の企画に取り組みました。
校下の川やビオトープで採集した水生生物を飼育・観察するなかで、各校の児童たちは試行錯誤しながら、生きものが棲む環境の変化への気配り、いのちの大切さを学びました。今回は、川に投棄されたごみの多さに驚き、水環境について学びを深める児童が目立ちました。その姿はテレビの特別番組で放映され、野外での体験教育を活発にすることの重要性が確認されました。
本プロジェクトを実施するにあたり、成功に導いてくださった参加各校の先生方、保護者をはじめ、魚津水族館・立山カルデラ砂防博物館・富山県中央植物園・国土交通省や県・市町の職員など、多くの方々に対し、深い感謝の意を込めてこの記録集をお届けします。
あわせて今後も一層のご協力ご支援をよろしくお願いいたします。
水みらいプロジェクト2023実行委員長
竹内 章
滑川市立東加積小学校。
この学校には4年生が代々受け継いでいる小さな学校水族館があります。
上級生から引き継いだ学校水族館に新たな生き物を加えてチャレンジ。
この日は学校水族館に新しい仲間を加えるため、生き物を捕まえに来ました。
学校の近くを流れる「郷川(ごうがわ)」。今回学校水族館を担当する4人の4年生です。
生き物採集をサポートしてくれるのは魚津水族館の不破さんと齋藤さん。
この日捕まえたのはカワムツ、モクズガニ、ヤゴなど計10種類以上!県内では希少なアカザは川に返すことにしました。
水槽に新たな仲間を加えてからひと月がたちました。学校水族館をより充実させるため、児童たちはこの日魚津水族館にやってきました。普段入ることができない裏側も案内してもらいました。
実際の飼育方法や展示方法を学び学校水族館づくりの参考になったようです。
学校水族館を担当するこどもたちは自分たちのの取り組みを知ってもらうため、発表会の準備に取り掛かっていました。どうすればこれまで続いてきた学校水族館の取り組みを知ってもえるのか。二人一組で協力しながらイラストや写真を使ってクイズや資料を作成しました。 発表当日。4年生が一生懸命考えた発表はしっかりと下級生に伝わったようです。
4年生と6年生が合同で地域を流れる川の生き物調査を行い、それぞれの学習に活かします。
舟橋村の中心を流れる京坪川にはどんな生き物がいるのでしょうか。
この日は、魚津水族館の不破さんと木村さんと一緒に調査します。どんどん見つかる生き物に子どもたちも大興奮です。
不破さんがいったように、川の中にはゴミも目立ちました。
この日は、ドジョウ、カニ、トミヨ、アカザなどたくさんの生き物を発見しました。
さっそく持ち帰った生き物を学校の水槽に移します。4年生の児童たちは、夏休みも当番を決めて、生き物のお世話をします。
学校水族館を始めて、およそ一か月。実は、学校水族館にちょっとした事件が起きていました。クーラーが壊れて水温が27度になり、ドジョウがかなり死んでしまいました。
児童たちの提案で、夏休み中、毎日学校に来て水槽の水を入れ替えることになりました。
命の大切さ、それを守る大変さを児童たちは魚のお世話を通して学びました。
2学期になり、6年生は川をきれいにする活動「クリーン大作戦」に地域の人たちの参加を呼びかけようとポスター作りに取り組んでいました。
そして迎えたクリーン大作戦の日。天気にも恵まれ、地域住民、およそ80人が参加し、この日集まったゴミはおよそ1トン。川には、びっくりするような大きなゴミがたくさんありました。
学校水族館を通して学んだことを、発表する日がやってきました。学校内5か所に分かれて、発表を行います。
実際に見たり、えさやり体験をしてもらうなど、児童たちは工夫をこらして発表していました。
富山市立・鵜坂小学校。今回川や水の生き物たちについて勉強するのは4年生。総勢100人以上です!
去年6月、学校の横を通る田島川の生き物を調べるところから学習が始まります。
魚津水族館の不破さんと石栗さんがサポートに来てくれました。
いよいよ田島川へ。ほとんどの児童が川に入るのは初めてです。川の中にもすぐに慣れ、児童たちはどんどん生き物を見つけていきます。
たくさんとれた生き物の中でもの珍しいスナヤツメにも児童たちは興味津々です。
他にも見つけた生き物はモクズガニやヤゴなど30種類近く!近くにある田島川にもたくさんの生き物が住んでいることを知りました。
不破さんが再び鵜坂小学校にやってきたこの日、児童たちは気になっていたことを質問しました。
授業は4年生の全クラスで行われ、児童たちが生き物の飼育で不思議に思ったこと、どうすれば生き物がより住みやすくなるかなど様々なことを学びました。
その後水環境に興味を持った児童たちは早速水槽の掃除に取り組みました。
新しい水は田島川からバケツに入れ持ってきます。
その結果、こんなにもきれいに。
魚たちもなんだかうれしそうに元気よく泳いでいました。
そして12月。教室では4年生が学んだことを3年生に伝えるために
発表の準備に取り掛かっていました。
発表は、4年生がそれぞれの班に分かれて行います。果たして、どんな発表会になるのでしょうか!
ついに発表会当日。教室に3年生を迎え入れ、発表が始まりました!多くの班が発表したのは川や海のごみ問題についてです。
児童たちが水の生き物を育てる中でごみや環境に関心を持ったことをクイズや劇、紙芝居など様々な方法で伝えました。
富山市婦中地区を流れる合場川。この緑が多く穏やかな川で元気に生き物採集をしているのは富山市立宮野小学校の5年生です。
去年の9月。川に住んでいる生き物を調査するところから児童たちの学習が始まりました。慣れない川に戸惑うこともありましたが、
すぐにコツをつかみ生き物を見つけていきます。
普段住んでいる婦中地区にも沢山の水の生き物がいることを実感し児童たちは大興奮!
捕まえた生き物たちを学校に持ち帰り水槽に放流。たくさんの生き物たちが学校にやってきました。ここから児童たちは水の生き物観察に取り組みます。
生き物観察を始めて1か月。水槽に異変がありました。
魚津水族館の不破さんに駆けつけてもらい、授業が開かれました。
そして今回外来種のお世話にもチャレンジした宮野小学校の児童たち。飼育をしていくうちに、外来種がなぜだめなのかも児童たちは気になっていました。
初めての水の生き物の飼育でお魚が死んでしまうこともありましたが、同じことが起きないように児童たちは3か月間、水槽の水替えや整備などを続けていきました。
いよいよ本番の日。保育園の子たちが宮野小学校にやってきました。
合場川で捕獲し育ててきた外来種についての発表もありました。
また、園児たちがもっと楽しめるようにとそれぞれゲームなども取り入れ、発表会は大盛り上がりになりました。
3月で閉校し、4月からは新しい学校に統合します。
4年1組の児童たちは、閉校前に学校の周りの自然を観察する活動を行っています。今日は、魚津水族館の不破さんを招いてビオトープの観察です。ビオトープにどんな生き物がいるのか、さっそく調査開始!
去年の9月。川に住んでいる生き物を調査するところから児童たちの学習が始まりました。慣れない川に戸惑うこともありましたが、
すぐにコツをつかみ生き物を見つけていきます。
普段住んでいる婦中地区にも沢山の水の生き物がいることを実感し児童たちは大興奮!
ビオトープの生き物調査から2か月半後、児童たちは魚津水族館を訪れました。不破さんの解説で、富山の海の生き物や、水辺の生き物について、理解を深めます。
生き物からわかる環境問題についても学びました。
さらに、普段は入ることができない、バックヤードも見学。水族館の裏側を知ることができました。
その10日後、児童たちはカエルが冬眠しているかを確かめるために、再びビオトープの観察をおこないました。石をはぐり、土の中を調べても、カエルの姿は見つかりません。
すると、元気なカエルを発見!生き物の扱い方にも変化が現れました。
春から続けてきたビオトープや学校の周りの自然観察。児童たちは、疑問に思ったことを図鑑やインターネットで調べることにしました。
閉校を控えた横田小学校。子どもたちは保護者の前で活動の成果を披露します。
教室には児童たち手作りの掲示物が並んでいます。訪れた保護者には、学校の花壇で採れたハーブや、ハーブティーをふるまいました。
ビオトープを通して学んだ、環境や命のこと。新しい学校に行っても忘れないでね!