「水みらいプロジェクト2022」では、約8か月の期間、県下2校の小学校が「チャレンジ!学校水族館」の企画に取り組みました。
滑川市立東加積小学校は、歴代の4年生が学校水族館を引き継いでいて、今年も校下の川で採集した生き物の飼育・観察に取り組みました。富山市立大沢野小学校は、6年生が学校内の憩いの場作りとしてビオトープの整備に挑戦しました。各校の児童たちは試行錯誤を経ながら、生物多様性の大切さを理解し、好ましい環境を守り未来に残していく意義を学びました。その姿はテレビの特別番組で紹介され、野外での体験教育を活発にすることの重要性が確認されました。
本プロジェクトを実施するにあたり、成功に導いてくださった参加各校の先生方、保護者をはじめ、魚津水族館・立山カルデラ砂防博物館・富山県中央植物園・国土交通省や県・市町の職員など、多くの方々に対し、深い感謝の意を込めてこの記録集をお届けします。
あわせて今後も一層のご協力ご支援をよろしくお願いいたします。
水みらいプロジェクト2022実行委員長
竹内 章
学校には歴代の4年生が取り組み、引き継いだ生き物たちが飼育されています。
2022年10月。校舎近くを流れる「郷川」に子どもたちのにぎやかな声が
響いていました。
今回挑戦したのは4年生6人です。
魚津水族館の不破さんと斎藤さんにサポートしてもらいながら川の生き物を捕まえます。
川に入ったことのない子どもたちにとって戸惑うことばかり。
生き物を捕まえることができるのでしょうか?
生き物の採集から、5か月。今まで大切に飼育、観察してきた学校水族館をさらにわかりやすくパワーアップするために児童たちは学校を飛び出し魚津水族館にやってきました。
魚の種類が分かるように、色々な工夫がされている事を学びました。
普段入ることができないバックヤードや水族館のスタッフルームも見学。
見るもの聞くものの全てが新鮮で発見の連続です。子どもたちにとってかけがえのない時間となりました。
実際の飼育方法や展示方法を学び学校水族館作りの参考になったようです。
魚津水族館の見学から3か月。この日は、学校水族館を次の学年に送る、引継ぎ式が行われます。
不破さんとの約束を守り、毎日観察日誌を付けてきた児童たち。
水族館で学んだ展示方法もいかしていました。
生き物を観察し、育ててきた5か月間。その経験をクイズや劇にして下級生に伝えました。
校内には子どもたちがいつでも遊べる池と小川が流れる自然豊かな学校です。
集まれ風の子の森というテーマのもと、子どもたち自身で自由にこの場所を変えていこうというプロジェクトがスタートしました。
7月11日。6年生全員で「集まれ風の子の森」をどのように作っていくか具体的に話し合うことになりました。
子どもたちで作る「風の子の森」。どんな場所になるのでしょうか。
9月。「集まれ風の子の森」プロジェクトは川べりの作業からスタートしました。
川の周りに造花を植え、人が集まる場所を作るチーム。
学校の前の用水で川に放流するための魚を釣り上げるチームも。
下校してきた下級生達も魚に興味津々。
川の周りの掃除もしっかりして、魚を迎える準備を整えます。
小川を魚の住処にしたい、魚が逃げないように出口に石を積んでいきます。そしていよいよ放流。さあここに住んでくれるのでしょうか。
二度の失敗を経て魚津水族館の不破さんを迎えて問題点を探ってみようということになりました。
不破さんが提案したのは魚がいる川と住んでほしい川の違いを比べてみること。たくさんの問題点が見えてきました。
みんなで力を合わせダムを作り、川底を削ることで、流れがほとんどなかった川にたくさんの水が流れるようになりました。
学校の近くの油川に魚の採集に向かいました。次々と採れる魚たちにみんな大興奮。真剣に魚探しをしています。
生き物を飼うことの責任や、難しさを改めて考えさせられます。
もう一か所、学校の前の池でも作業が進められていました。どうやら池の周りに遊べる場所を作っているようです。
よどんでいた池の水も一度全部抜いて綺麗に掃除をしました。池のほとりのベンチに、みんなで遊べるハンモック。憧れのツリーハウスまで。
何もなかった森からみんなのこだわりがたっぷり詰まった人が集まる森に生まれ変わりました。