とやま環境賞

「とやま環境賞」は、地域にあって環境を見つめ、維持と保全に取り組み、他の模範となる活動をしている個人・団体、及び環境に関する研究活動を行っている個人・団体に贈られます。

【 令和5年度第28回とやま環境賞受賞者のみなさん 】

第28回とやま環境賞は令和6年2月16日(火)に富山テレビ放送にて選考委員会が開催され、優秀活動賞に2団体2個人、ジュニア活動賞に4団体が選ばれました。
表彰式は3月9日(土)にホテルグランテラス富山で行われました。



優秀活動賞

●朝日町立笹川公民館
昭和61年から地域の子どもたちを交え「ホタル観察会」を開催しています。平成14年には集会施設にビオトープを設置し定期的に清掃活動を行うなど環境整備を行っています。
令和3年からは魚津水族館の学芸員を講師に招き、地域の子どもたちや父兄と共に実際に川に入っての水中生物観察会を行っています。ホタルの観察会や水生生物観察会を通じ、地域の方々に自然環境保護意識を高める活動を継続して行っています。

●六渡寺自治会
富山県一汚い海岸と言われる六渡寺海岸では、昭和47年頃から住民による清掃が行われ、平成20年頃からは自治会やボランティアが中心となり毎月1回100名程度で清掃活動を実施しており、年間約50トン~100トンものゴミが回収されています。50年以上も続く清掃美化活動を通じ、地域の環境美化保全、環境意識向上に貢献しています。

●伊藤 理絵さん
平成24年度から富山県地球温暖化防止活動推進員として「とやま環境チャレンジ10事業」に講師として参加、地域の小学4年生に環境教育を行い、幼稚園児と保護者対象の「はじめてのエコライフ教室」に講師として参加し、子どもたちに環境意識を芽生えさせています。
また、富山県フォレストリーダーに認定され、「とやま木育フェア」等により県民の森づくりへの理解を深めるなど、地域における環境活動を通じて地球温暖化防止行動の普及促進、子どもたちへの環境教育による環境意識の醸成、二酸化炭素吸収源である森づくりへの理解促進に貢献しています。


※写真は飯田肇さん代理 松田 好弘さん

●飯田 肇さん
立山カルデラ砂防博物館で立山地域の積雪、雪崩、気象調査を継続して実施。博物館研究チームとして、日本には現存しないとされてきた氷河について2009年から調査を実施、2012年学術論文として発表し正式に認められました。1982年以来ヒマラヤ氷河学術調査隊に7回参加するなど、氷河・気象調査・研究活動に尽力しています。気候変動に関わる気象の急激な変化の様相などを山岳ガイドや登山者に啓発し気象遭難の防止に務めています。2023年「みどりの日」自然環境功労者環境大臣表彰を受賞されました。

ジュニア活動賞

●舟橋村立舟橋小学校
2014年よりトミヨの保護活動を行い、2016年より竹鼻用水でホタルの里づくりを行っています。また、細川、京坪川のサケの遡上調査やサケ・サクラマスの発眼卵の飼育や稚魚の放流、川の清掃活動を行い地域に発信しています。この活動の成果発表を受けた村議会で「舟橋村の豊かな水辺環境を守る条例」が制定され、また、子どもたちの活動に触発されて作られた「竹鼻環境保全会」が、2023年度富山県農村文化賞(富山県・富山新聞主催)を受賞されました。子どもたちの活動が地域の環境活動の中心的役割を担っています。

●富山県立中央農業高等学校 生物生産科 作物科学コース 作物専攻
「環境にも人にも優しい米づくり」をテーマに活動し、令和3年度にスマート農業技術を利用した持続可能な農業や豊かな自然環境を創造すべく「SDGs中農MIRAI米づくりプロジェクト」を立ち上げられました。「ドジョウとアイガモロボを活用したアクアポニックス水稲栽培実験」では、ドジョウの排泄物を栄養にし、アイガモロボで雑草を抑制した有機米栽培を研究しています。放置竹林の粉末を発酵させた竹パウダーを米の栽培に活用し食味を向上させる研究も行い、いずれもお米甲子園でプレゼンし優秀賞を受賞されました。

●富山県立氷見高等学校 海洋科学科
氷見の海岸の海藻を食べつくし、海の環境を悪化させる原因となっているウニの駆除に取り組んでいます。富山湾では大量に発生しているウニが海藻を食べつくす「磯焼け」と呼ばれる現象が拡がり深刻な問題となっています。回収したウニは身が少なく廃棄処分にするしかありませんが、それを陸上の水槽施設で餌を与える「畜養」を手掛けています。ウニの餌は農家から廃棄される野菜を活用、小松菜やトマトなど与える餌によって変わる身の入り方や色の違い、味なども調べ商品化に向け取り組んでいます。海藻の保護から海洋の保護、食品ロス問題、ウニの商品開発、廃棄ウニの殻の農業への活用など様々な取り組みを行い、海洋環境の現状についての理解を広める活動を行っています。

●富山県立富山中部高等学校 スーパーサイエンス(生物)部
絶滅危惧種であるホクリクサンショウウオは毎年生息調査が行われていますが、落ち葉や泥に紛れて見つけにくいことから、目視で確認しなくても対象とする生物の存在が確認できる環境DNAを利用し生息場所を推定することを試みました。県民の保護意識向上の為、その研究成果を小学校の授業や、ファミリーパークのイベント、文化祭などで発表し、保護活動に貢献されました。


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